佐賀の出版元 出門堂 | 2008年09月01日

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2008年09月01日

第一級の知識人 古賀精里・侗庵

8月23日付の佐賀新聞紙上で、小社の新刊『早すぎた幕府御儒者の外交論 古賀精里・侗庵』(梅澤秀夫著)が紹介されました。

記事には次のようにあります。
高校の歴史教科書にもほとんど出ることがない二人だが、著者の梅澤教授は「歴史をきちんと理解するためには、昔の人の精神世界に踏み込んだ思想史の分野を知ることが必要」と、執筆の動機をあとがきで述べている。偉業を後世に語り継ぐ役割だけでなく、日本人の思想を理解するうえで重要な一冊となっている。

戦前までは、江戸時代屈指の知識人として著名であった古賀精里・侗庵父子ですが、この半世紀ほどの間に教科書に載っても小さく扱われる程度となり、その名を知る人もすっかり減ってしまったようです。半世紀という時間にどのような変化が起こっているのでしょう。

古賀精里・侗庵は、二代にわたり江戸の昌平坂学問所で教授を務めた佐賀藩出身の儒学者です。ペリー来航以降、日本における海外への意識が高まったことは知られていますが、その半世紀も前に日本にとって外交や海防がいかに重要であるかということを説いています。すでにこのころ対ロシア政策などを具体的に論じています。

「半世紀」とは、私たちを取り巻く環境を大きく変えうる歳月かもしれません。それでも彼らの考えたことを現在こうして知ることができるのは、先人たちがそれを語り継ぎ、遺してきたことの証しでもあります。

この『早すぎた幕府御儒者の外交論 古賀精里・侗庵』をはじめとして、肥前佐賀文庫では長期のビジョンで読者の方々に問題提起ができればと希っております。
(A子)
 


Posted by 出門堂 at 15:45 | Comments(0) | 今日のひとこと