佐賀の出版元 出門堂

2008年05月15日

「お玉ヶ池種痘所」開設150年

1858年(安政5年)5月7日、当時の日本で最高の死亡率をほこった天然痘の治療のため東京に「お玉ヶ池種痘所」が開設されました。今年は開設されてから150年にあたります。
この「お玉ヶ池種痘所」は現在の東京大学医学部の前進といわれています。開設と運営については、伊東玄朴(佐賀県神埼町仁比山出身)を中心とする蘭方医たちが尽力していたそうです。

そして、天然痘治療に大きな成果をみせ、撲滅へのきっかけとなる牛痘接種を日本ではじめて成功させたのは長崎出身で佐賀藩医であった楢林宗建です。牛痘接種成功への舞台裏を自ら医師である深瀬泰旦先生が『わが国はじめての牛痘種痘 楢林宗建』で詳しく書かれていますのでぜひご覧ください。

本文より少し抜粋
……蘭方医たちの牛痘接種法への憧憬は、日毎にたかまっていた。とくに佐賀藩では弘化三年の天然痘の大流行を機に、牛痘接種法への関心はいやが上にもたかまった。江戸在府の藩医伊東玄朴は、牛痘苗の移入を藩主鍋島直正に進言し、直正は長崎在住の藩医に痘苗入手の指示をあたえた。

当時の人の天然痘撲滅への強い思いが感じられます。

(M)




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