佐賀の出版元 出門堂

2008年03月24日

編集見習い日記-その2-

こんにちは、A子です。
ここ出門堂では、毎日たくさんの話をします。歴史のことであったり、今朝の新聞記事についてであったり、あるいは昨晩観たお笑い番組のことであったり、その内容は実にさまざまですが、小さな出来事でもそこから何かを読み取り、議論を膨らませていくのが我らが編集長の得意とするところです。
私が特に気に入っているのは、文字や言葉についての話です。先日、お客様と私の電話でのやり取りを聞いていた編集長から、「きみはよく『さようでございます』って言うよね」との指摘を受けました。確かに、私はよくお客様に対して「さようでございます」という言い方をします。なんだかサムライのようですが、そもそもこの「さよう」とは、どういう意味を持つのでしょうか。

参考までに、『新明解 国語辞典』第四版(三省堂)により、以下に要点をまとめてみました。

さよう【然様】
一、「その通り・そのよう」の意の丁寧語。
二、相手の言った事や自分の思い出した事を肯定する気持を表わす。「そうです」の老人語。「左様」とも書く。


また、『新潮国語辞典』第二版(新潮社)には、

さヨウ【左様・然様】(「左」はあて字)
一、そのとおり。そう。
二、相手のことばを肯定したり、なにか思いあたったりした時にいうことば。そう。そうだ。

とあります。現在使っている「さようなら」も、「それでは、また逢う日までお元気に」という意味で、やはり「然様(さよう)」という言葉からきているようです。

こうして言葉のもとを辿り、その言葉ができた背景や歴史に触れてみると、これまであまり意識することもなく使っていた言葉が、少し違った響きを帯びて聞こえてきます。人と会話をしたり、頭の中でものを考えたり、私たちは毎日何かしら「言葉」に関わって生活しています。めまぐるしく変わっていく現代社会の中で、言葉も変化を余儀なくされることがあると思います。けれども、毎日使うものだからこそ、時には少し立ち止まって、「言葉」というものにじっくり向き合ってみることも必要なのかなと思った一日でした。


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