佐賀の出版元 出門堂
2008年03月28日
編集見習い日記-その3-
A子です。
先日、小城市にある中林梧竹記念館へ行ってきました。こぢんまりとした、大変シンプルな展示室ではありますが、一歩足を踏み入れると、そこには独特の、やさしく穏やかな空気が流れています。中林梧竹という人の人柄を肌に感じながら、作品をゆっくりと眺めることができます。
小学生のときに近所の書道教室に通い始めてから中学生まで、いわゆる「お習字」の経験はあるものの、「書」というもののなんたるか、まったく理解しておりません。ましてや他人の作品を見て分析をするほどの知識は皆無なのですが、ひとつ、見ていてはっとした作品がありました。
みなさんもよくご存知の「いろはにほへと」で始まる歌を書いたものですが、一目見ただけではあまり美しい字には見えません。ですが、それが展示されていた作品の中で私が最も心惹かれたものでありました。前に立ってぼんやりと眺めていたときに、ひと文字ひと文字がしだいに浮き上がって、そこからあぶり出しのように、原型となった漢字の姿が見えてきたのです。たとえば、「た」という字は「太」、「な」という字は「奈」といった具合です。ごくごく当たり前のことなのでしょうが、まるで数学の公式を見つけたかような、大発見をした気持ちになりました。
この出門堂で働いていなければ、「書」にたいしてそれほど興味を持つこともなく、おそらくこの先もずっと、こういったものの見え方はしなかったのではなかろうかと思います。編集見習いとなって約10ヶ月が経ちますが、最近になって少しずつ、この仕事の面白さを実感するようになってきました。
上記の作品は、出門堂が制作を担当しました「桜雲洞収蔵 中林梧竹書画」にも収録されていますので、ぜひご覧下さい。
先日、小城市にある中林梧竹記念館へ行ってきました。こぢんまりとした、大変シンプルな展示室ではありますが、一歩足を踏み入れると、そこには独特の、やさしく穏やかな空気が流れています。中林梧竹という人の人柄を肌に感じながら、作品をゆっくりと眺めることができます。
小学生のときに近所の書道教室に通い始めてから中学生まで、いわゆる「お習字」の経験はあるものの、「書」というもののなんたるか、まったく理解しておりません。ましてや他人の作品を見て分析をするほどの知識は皆無なのですが、ひとつ、見ていてはっとした作品がありました。
みなさんもよくご存知の「いろはにほへと」で始まる歌を書いたものですが、一目見ただけではあまり美しい字には見えません。ですが、それが展示されていた作品の中で私が最も心惹かれたものでありました。前に立ってぼんやりと眺めていたときに、ひと文字ひと文字がしだいに浮き上がって、そこからあぶり出しのように、原型となった漢字の姿が見えてきたのです。たとえば、「た」という字は「太」、「な」という字は「奈」といった具合です。ごくごく当たり前のことなのでしょうが、まるで数学の公式を見つけたかような、大発見をした気持ちになりました。
この出門堂で働いていなければ、「書」にたいしてそれほど興味を持つこともなく、おそらくこの先もずっと、こういったものの見え方はしなかったのではなかろうかと思います。編集見習いとなって約10ヶ月が経ちますが、最近になって少しずつ、この仕事の面白さを実感するようになってきました。
上記の作品は、出門堂が制作を担当しました「桜雲洞収蔵 中林梧竹書画」にも収録されていますので、ぜひご覧下さい。
Posted by 出門堂 at 12:51 | Comments(0)
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