佐賀の出版元 出門堂

2008年08月13日

帰省

この時期、ふるさとで過ごす人も多いことと思います。佐賀へ帰省される方へ読んでいただきたい一冊をご紹介します。
「にゃーごとあろう」父の後ろ姿  小山内富子著
なつかしい佐賀の風景とともに、昭和初期の人々のつながりとあたたかさが満載です。

―― 「魚の哲学」より ――
「昔ゃない、我がん家の川端に魚のどっさい泳ぎよっとば見つくっきい、竿竹ば持ってきて、飯(めし)盗人(ぬすっと)、早(は)よあっち行けちゅうて、魚ば追っ払いよったちゅうばい。……」

「なし、魚の飯盗人ね」

「魚ば菜(しゃあ)に飯ば食(た)ぶっき、美味(うま)か魚につられて、飯ばどっさい食(く)うてしまうけんたい」

「そんない、ご飯の代わりに魚ばどっさい食べたらよかやんね。魚は栄養価も高っかし、堀から、只で取りゆもん。……」

「栄養はあっばってん、魚ばっかいじゃあ、働く体力はできんたい。それにない、人間、贅沢な味ば知ってしまうぎ、もとにゃ戻りにくかたい。第一、只で手に入っとも、労働者にとっちゃ禍(わざわい)の種(たね)たい。只の味ば覚えてしまうぎ、働くとが阿呆らしゅうなって、勤労意欲の削(そ)がるっちゅーてない。そいが、家の切り盛りば受け持っ姑婆ちゃんたちの生活哲学じゃったったい」
つつましく、そしてたくましく生きていた昔の人から学ぶことは多いです。
ところで、この美味しい魚は何だったんでしょうね?

出門堂の本は佐賀県内の書店でも販売しています。

(M)




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